2010年12月アーカイブ

ブリオ・メーターを、理化学的な大気汚染測定器と比較した実験があります。


それによると長所は次のようになっています。


1.未知の汚染物質に対しても使用できること


2.いくつかの汚染物質が相乗作用を起こしている場合の毒性を測定できること


(これはブリオ・メーターのような生物学的測定法だけは測定できる値)


3.小型で安価、しかも取扱簡単


・・・長所は以上ですが、短所も書いておきましょう。


1.ひとつひとつの物質の濃度は測定されないため、行政的な汚染対策の資料には不向き


(・・・しかし、これは汚染対策の考え方次第だともいえます。


本当の対策は、個々の物質の濃度規制ではなく、相乗作用による総合的な毒性を小さくすることにあるからです。)


2.理化学的原理の測定器に比べ、応答速度が遅い


(・・・この点も、考え方次第でしょう。


現在のように、高濃度の汚染が発生したときにだけ、緊急措置をやるやり方が正しいとは言い切れないからです。)


3.いまのところ汚染度を数量的に表現できない


・・・それはこれからの課題ですね。


厳密な実験ならば、汚染物質の除去率が何パーセントであるか、分析器機を用いて測定することも必要でしょう。


しかし、要は、中に入れたコケに被害が出ないほど浄化されればよいともいえます。


この装置を、0・8PPmのくん煙実験室の中に入れてコケの被害を見たところ、このくらいの高濃度では、1週間ぐらいでは浄化能力が充分にあることがわかったのです。


野外では、1ヵ月間、浄化するだけの能力はあるものと思われます。


この装置は、たんに、コケを対象とした実験装置としてつくられたわけではなく、植物計器としての応用が考えられます。


この装置の非浄化試験室内のコケに生じる被害の程度は、コケの種類と大気汚染の程度によってきまります。


この装置を一定期間はたらかせ、非浄化室内のコケに生じた被害を読み取ることによって、その地点の大気汚染の強さを知ることができるのです。


浄化試験室の中のコケは、大気汚染以外の原因でコケが枯れた原因・・・そのことを考える役目をするのです。


この装置は、コケのメーターという意味で「ブリオメーター」と名づけられています。


この植物計器の被験植物としてコケ(セソタイ類)を用いた利点はつぎの4つです。


1.センタイ類は小形で、栽培が容易であるため、装置をごく小さくすることができる。


2.大気汚染に対してきわめて弱い。


3.葉緑素の構成(クロロフィルaとクロロフィルbをもつ)が高等植物と同じであるため、被害を受ける過程が高等植物とだいたい同じ。


地衣類やソウ類の葉緑素は、高等植物とは少し違っているのです。


4.常緑性であるため、冬季でも実験ができる。


・・・都市のビル暖房による汚染は冬に高濃度になるので、それを測定するのに優れているのです。

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